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顎関節学会のガイドライン
顎関節学会の顎関節症のガイドラインが7月に発表されました。
医科歯科の木野先生が委員長を勤められています。
労作だと思います。

でも、中にこんな文章がありました
「また、スプリント治療で下顎の位置を変化させることによって腰痛・疲労・
不眠症・アトピー性皮膚炎・花粉症・体のバランスなどの慢性疾患が改善する
というランダム比較試験も存在しませんでした。」

確かにそれは間違ってはいません、しかし、公平な真実とも言えません。
と言うのは、歯科領域における質の高いランダム比較試験は
実際にはほとんど存在していないからです。
でも、ガイドラインの書き方だとランダム比較試験は
あることが当たり前のように見えてしまいます。


ランダム比較試験は最も信頼性が高い研究法ですが、
それだけに実現が難しい方法でもあります。
どれくらい難しいかといえば、
ガイドライン委員会が世界中から論文を集めても、
咀嚼筋痛のスプリント療法に関するしっかりした研究は、
わずか三研究しか見つからなかったことでも理解できるかと思います。

古くから世界中で行われているスプリントですらこの有様ですから、
新しいタイプのものにそのような研究が無いことは無理からぬことです。

また、ガイドラインで採用されている
三つの研究のうちのひとつであるRaphaelの論文を調べてみると、
「30あまりの症状についてスプリントの効果を調べてみると、
痛みが咀嚼筋に限定している症例においてのみ二つの症状で改善が見られた。
痛みが首や肩に広がっている症例では有効性は認められなかった。」
と結論付けています。

ですから、ガイドラインは少しばかり説明不足といわざるを得ません。
もっと言えば、「嘘ではないが本当でもない」と言う内容です。

きつい言い方になってしまいますが、
痛みが顎以外にも広がっている患者さんの場合には
「信頼性の高い研究法で有効性が否定されている治療法」(スプリントです)
を選ぶか、
「新しくて、まだ有効性の確定していない治療法」
を選ぶか、という問題になると思います。

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テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

顎関節症 | 17:53:36 | トラックバック(0) | コメント(34)

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