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2012-01-06 Fri
昨年の末に、2年近く線維筋痛症の治療で通院していた患者さんから嬉しい連絡がありました。11月に無事男の子を出産したということでした。
この女性は、前にリウマチ科で薬物療法を受けていたものの経過が思わしくなく
私の医院に転院してきた方ですが、
咀嚼筋に対する治療でも顎位の決定が難しくて、何度も顎位の取り直しをしました。
首が良ければ腰が痛い、そこを治そうとするとめまいが出る、
あちらが良ければこちらが悪いの繰り返しで、
自分の技術では無理ではないかと思い転院を勧めたこともありました。
しかし、患者さんから手ごたえを感じているので続けてほしい、と逆に説得されてしまい
何度も顎位の採得を繰り返すことになりました。
驚くほど粘り強いかたで、また私を信頼してくれたので何とか回復する方法を探さなければいけないと
いろいろ工夫を繰り返しました。
患者さんも実に辛抱強かったと思います。
決定的な顎位を決められないままでも症状は少しずつ改善してゆきました。
ご両親に「ずいぶん元気になってきました。ありがとうございました。」
とおっしゃっていただいた時には、正直ホッとしました。
そして治療途中での結婚、出産となりました。
線維筋痛症も悪化することなく無事に生まれて何よりでした。
年が明けて年賀状を見ていると、別の患者さんの妊娠の報告がありました。
この患者さんは線維筋痛症で休職、顎位治療、咬合再構成をへて回復、復職
すぐに結婚、そして妊娠。現在安定期に入って順調とのことでした。
新年早々喜ばしいことが続きました。
2011-07-01 Fri
「かみ合わせを治して歯を均等に当るようにしたり、歯並びを治すと首や背中、腰などの慢性痛が治る」
は本当のことでしょうか?
顎関節症の患者さんはこれを信じている人が多いのですが、
歯科医の中にも信じている人がいます。
実はこれは正しくありません。
そうではなくて、
「首や背中や腰などの慢性痛が治るようにかみ合わせを調整すると
歯がきれいに当るようになる」
のです。
体の不調を治す技術と、歯をきれいに当てる技術は違うのです。
しかし、体の不調を治す技術で調整したクラウンは
きれいなかみ合わせになっているので、
体の不調を治す技術を知らない歯医者が見たら
歯の当たりをきれいにしただけにしか見えません。
「歯の当たりをきれいに調整したのに頭痛や顎関節症が治らない」
その原因はここにあります。
2010-10-29 Fri
顎関節学会の顎関節症のガイドラインが7月に発表されました。医科歯科の木野先生が委員長を勤められています。
労作だと思います。
でも、中にこんな文章がありました
「また、スプリント治療で下顎の位置を変化させることによって腰痛・疲労・
不眠症・アトピー性皮膚炎・花粉症・体のバランスなどの慢性疾患が改善する
というランダム比較試験も存在しませんでした。」
確かにそれは間違ってはいません、しかし、公平な真実とも言えません。
と言うのは、歯科領域における質の高いランダム比較試験は
実際にはほとんど存在していないからです。
でも、ガイドラインの書き方だとランダム比較試験は
あることが当たり前のように見えてしまいます。
ランダム比較試験は最も信頼性が高い研究法ですが、
それだけに実現が難しい方法でもあります。
どれくらい難しいかといえば、
ガイドライン委員会が世界中から論文を集めても、
咀嚼筋痛のスプリント療法に関するしっかりした研究は、
わずか三研究しか見つからなかったことでも理解できるかと思います。
古くから世界中で行われているスプリントですらこの有様ですから、
新しいタイプのものにそのような研究が無いことは無理からぬことです。
また、ガイドラインで採用されている
三つの研究のうちのひとつであるRaphaelの論文を調べてみると、
「30あまりの症状についてスプリントの効果を調べてみると、
痛みが咀嚼筋に限定している症例においてのみ二つの症状で改善が見られた。
痛みが首や肩に広がっている症例では有効性は認められなかった。」
と結論付けています。
ですから、ガイドラインは少しばかり説明不足といわざるを得ません。
もっと言えば、「嘘ではないが本当でもない」と言う内容です。
きつい言い方になってしまいますが、
痛みが顎以外にも広がっている患者さんの場合には
「信頼性の高い研究法で有効性が否定されている治療法」(スプリントです)
を選ぶか、
「新しくて、まだ有効性の確定していない治療法」
を選ぶか、という問題になると思います。
2010-08-19 Thu
このところ、大学での研究のための申請書類作りと歯科医師会の会務に追われて、ブログを全く更新しなかったために、
コメントいただいたのにコメントが表示されないことになってしまっていました。
コメントしていただいた方、すみません。







